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神経科学者のJ・Gも、「ホルモンは濡れぎぬを着せられている」と主張するものの、思春期特有の行動は、背後にホルモンが働いているらしいと推測する。
G自身が思春期の脳を観察していて見つけた変化、とくに前頭葉の厚みが増すのは、女の子で11歳、男の子で12歳ぐらいからだった。
それは「ちょうど身体の成熟が始まるとき」でもある。
となるとホルモンは、子どもたちの性的成熟と密接にかかわるだけでなく、脳の基本構造を整えることにもひと役買っているかもしれない。
「思春期にホルモンはいったい何をしているか、ですって?」と聞きかえすのは、C大学サンディエゴ校の神経科学者L・Bだ。
「何でもやってるわ。
ホルモンは凶暴な化学物質なのよ」ティーンエイジャーと暮らしたことがある人、あるいは不機嫌の塊みたいな生理日や、テストステロンが飛びちりそうな大ゲンカを経験した人なら、ホルモンが気分変動に及ぼす威力を痛感しているはずだ。
子宮を摘出して、ホルモン補充療法を始めたばかりの友人に、エストロゲン不足が解消されてどんな気分かたずねたことがある。
「どんな気分かって?そうね、毎朝人を殺したいと思わなくてすむようになったわ」ライターで元雑誌編集者のA・SはHIVポジティブで、疲労感解消のためにテストステロンを自分で注射している。
あまりに俗説まみれなので、科学者たちは「T」としか呼ばないこのホルモンが、自分にどんな影響を及ぼしたかSは書いている。
「男らしさの注射」であるTは、まずSの体格を大きくした。
注射を始めて数ヶ月後に体重は9キロ増え、シャシのサイズも首まわりが15から17.5に、胸囲が40から44に上がった。
それに加えて、気分も攻撃的でけんかっぱやくなった。
要するにマッチョになったのである。
知らない相手とこぜりあいを起こしては「胸を大きくふくらませて威嚇」するし、短気でいらいらしやすくなった。
「注射をした翌日、あるいは早くて数時間以内に、エネルギーが深いところからあふれだすのがわかる。
エスプレッソのダブルをあおったときほどではないが、それでも強力だ。
注意力が続かなくなり……気転がきいて、頭の回転が速くなったが、ものごとを衝動的に判断するようになった」とSはNに書いている。
ではこうした性ホルモンは、思春期の脳のなかでも暴れているのだろうか?それを確かめるために、ホルモン研究の第一人者であるペンシルヴァニア州立大学のL・Sは、ちょっとした民をしかけた。
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